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髪がダメージを受けると、毛髪からタンパク質が流出して、水分や油分の保持能力が低下します。プロティキュートは、髪のダメージ部分に吸着し、抜け出したタンパク質を補うとともに、弱った髪にコシとツヤを与えます。ただし、キューティクルが剥がれた髪を元の健全な髪に戻すことはできません。髪のダメージの予防として、髪を保護する目的で用いると、プロティキュートは最も大きな効果を発揮します。
正常な毛髪を、プロティキュート(α-ケラトース)を添加したブリーチ剤の中にひたし、40℃で24時間ブリーチ処理を行ったところ、シャンプー・ブロー後には、キューティクルの剥離や分解が少なくなっていたというデータがあります。
ブリーチ剤によるキューティクル損傷に及ぼす毛髪保護効果 |
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ブリーチ処理毛 |
ケラトース濃度(%) |
強度(gf) |
伸度(%) |
0 |
177.2 |
60.4 |
0.5 |
189.6 |
62.2 |
5.0 |
195.5 |
67.1 |
ブリーチ未処理毛 |
198.9 |
70.1 |
ブリーチ処理後の毛髪の表面 (左:プロティキュート添加、右:添加なし)
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正常な毛髪とブリーチ処理した毛髪に対して、プロティキュートを中間リンスとして用い、塗布後に浸透と固着効果を上げるために40℃で加熱処理を行ったところ、第2剤前にプロティキュートで処理することによってかなりの強度の低下を防ぐことができました。また、ブリーチ毛においては、パーマ剤によってかなりキューティクルが剥がれましたが、プロティキュート処理によって剥離が抑えられました。
パーマネントウエーブ処理における毛髪保護効果 |
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正常毛 |
ブリーチ毛 |
強度(gf) |
伸度(%) |
強度(gf) |
伸度(%) |
パーマ処理前 |
198.9 |
60.4 |
195.2 |
59.5 |
中間リンスなし |
168.0 |
65.6 |
96.3 |
70.9 |
中間リンスあり |
183.0 |
62.3 |
108.7 |
66.8 |
パーマネントウエーブ処理における毛髪保護効果 (左:パーマ前の正常毛、中:パーマ後のプロティキュート処理毛、 右:パーマ後の市販低分子ケラチン処理毛)
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前のパーマ剤での実験で中間リンスを行った毛髪のウエーブ状態を測定したところ、プロティキュート処理によって、非常に高いウエーブ効果が得られることがわかりました。また、正常毛とブリーチ毛とのウエーブ効果値が近いという結果は、毛髪が傷んでいる先端部分と余り傷んでいない部分とが同じくらいのウエーブ状態であるということを意味しており、先端が掛かりすぎ、根本は掛からないという、従来のパーマネントウエーブの問題点を解決できます。
パーマネントウエーブ処理におけるウエーブ形成能向上に及ぼす効果 |
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ウェーブ効果(%) |
正常毛 |
ブリーチ毛 |
中間リンスなし |
50.6 |
63.4 |
中間リンスあり |
82.6 |
80.3 |
ダメージを受けた髪は、内部のタンパク質が部分的に分解されているため親水化されています。酸性染料は、酸性条件では親水化された部分に吸着されますが、疎水部分が少ないため染料が固着されにくく、その後のシャンプーで簡単に洗い流されてしまいます。そこで、ヘアマニキュアの前処理としてプロティキュートを用いると、髪の内部を疎水性にし、酸性染料が固着する部分が多くなり、色が濃く染まり、色落ちを防止する効果も見られます。
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