「あおもりPG」の軌跡と未来
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ストーリー|「あおもりPG」の軌跡と未来

「あおもりPG」の軌跡と未来

青森県知事 三村申吾氏

「青森県発の美容健康素材としてグローバル展開を目指す」
知事自ら「あおもりPG」をトップセールス

青森県のトップとして、プロテオグリカンの愛好者として、自らトップセールスを国内外に展開する同県の三村申吾知事が、「『あおもりPG』の軌跡と未来」と題して登壇した。青森県は、弘前大学や地元企業等を中心に産官学の連携体制を構築し、プロテオグリカン研究と実用化の拠点として地位を確立している。

氷頭なますをヒントに抽出技術を確立

「プロテオグリカンは、保水性に優れ、皮膚ではハリや弾力の維持に重要な成分と言われている。自分も何年も使い続けているが、肌や関節に効果を実感している。県内の企業だけでなく、ナショナルブランドの企業にも採用され、素材の認知度も高まってきている」(三村知事)と市場開拓の現状を説明する。

ただ、実用化は簡単ではなかったと振り返る。「プロテオグリカンは、美容健康素材として有望視されていたが、量産技術が確立されていなかった。1グラム3000万円という時代もあり、研究や実用化の壁となっていた。ウシの気管軟骨やブタの皮、ニワトリの鶏冠から抽出していたが、BSEや鳥インフルエンザなどの影響もあり、順調ではなかった」(三村知事)。

そこで注目したのがサケの鼻軟骨である。プロテオグリカンを豊富に含むことは報告されていたが、構造を壊さずに抽出する方法が求められていた。突破口を切り拓いたのが、弘前大学医学部教授の故・高垣啓一教授である。青森県の郷土料理として古くから親しまれている氷頭なます(鮭の頭部を酢漬けにしたつまみ)にヒントを得て、サケの鼻軟骨から食品用酢酸とアルコールから高純度のプロテオグリカンを低コストかつ安全に抽出する技術を確立した。

「あおもりPG」によるブランド認証

量産技術の確立により、プロテオグリカン入手が容易になり、弘前大学や関連企業を中心に研究開発が活発化。様々な機能性が報告されることになる。主な機能及び期待される効果として、①抗炎症作用:抗アレルギー作用、潰瘍性大腸炎の治療効果、②細胞増殖促進作用:皮膚再生作用(アンチエイジング効果)、③軟骨再生促進作用:老人性関節炎への応用、④骨代謝以上改善作用:骨粗鬆症治療効果、⑤保湿作用;化粧品と食品への応用、が知られる。古くから日本人のたんぱく源としてサケの食習慣があることも追い風となり、機能性素材として認知拡大・採用が進んだ。

▲講演資料より

一方、「異なる抽出方法によるプロテオグリカンやサメ軟骨由来のプロテオグリカンが登場し、青森県のプロテオグリカンとして差別化する必要性が出てきた」。2011年に「あおもりPG推進協議会」を立ち上げ、弘前大学が開発した技術により抽出されプロテオグリカンを「あおもりPG」と呼称。同協議会による認証を経た商品に「あおもりPGマーク」を付与し、品質や安全性を規定した。「あおもりPGとしてブランド管理することで、プロテオグリカン製品の安全性や信頼性を高める狙いがあった。結果として、製品を開発する企業、製品を消費するユーザーに対して、安心してプロテオグリカンを利用できる環境を提供することが可能になった」(三村知事)と振り返る。

▲講演資料より

2019年3月末現在、あおもりPGを採用する商品は293商品、うち認証商品は167商品(食品69、化粧品98)に上る。累計製品出荷額は、8億円(2011年度)から217億円(2019年度)と順調に拡大している。「あおもりPG推進協議会」の会員数は98社となっている。

知事自ら国内外にトップセールスを展開

「さらなる市場拡大を促進するためには、あおもりPGの認知拡大が必要と判断し、様々なイベントや展示会で積極的にPR活動を展開している。例えば、2019年9月には『アンチエイジングジャパン2019』に出展。プロテオグリカンに関するセミナーの他、国内外の企業との商談を実施した。同イベントでは、地域資源を活用した美容アイテムを対象としたアワード『ジャパンメイドビューティーアワード』も受賞。これまであおもりPG認証商品は3回受賞しており、商品力の高さが評価されたのではないか」(三村知事)と胸を張る。

アワードを受賞した商品は、「あっ!ぷるるんボール」(石鹸/やまと商社)、「La Vie Precieuse A.P.G.Line」(化粧品/ラビブレ)、「ドルチェようかんワイキューブ」(羊羹/タグポート)。こうした商品ラインアップの幅広さも、あおもりPGの魅力といえるだろう。

今後は、海外展開にも注力する方針を示している。すでに英語、中国語、韓国語など、5か国語で情報発信を進めている他、台湾でのPR活動を強化している。「青森と台湾の直行便就航に合わせ、越境ECや現地商談マッチングの支援、現地でのプロモーションを集中的に展開している。私自身が台湾を訪問し、ABCクッキングとともに、料理教室と連動したイベントに参加し、直接、あおもりPGをPRしている」と知事自らトップセールスに力を入れている。青森県発の美容健康素材として、今後のグローバル展開に期待がかかる。

▲フォーラムでは三村知事がPGのプレゼンテーションを行った

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