2025.09.11
new米化学誌“Bioconjugate Chemistry”に研究論文が掲載されました
アメリカ化学会 ACS が発行する Bioconjugate Chemistry 誌に当社研究員が執筆した論文が掲載されました。
【タイトル】
「A Next-Generation Brain-Targeting Peptide: KS-487 Rivals Angiopep-2 in BBB Penetration with Enhanced Selectivity」
(次世代の脳標的化ペプチドとしての KS-487 は選択的 BBB 透過により Angiopep-2 に比肩する)
【要 旨】
KS-487 は低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1 (LRP1) に結合して血液脳関門 (BBB) を透過する環状ペプチドである。ここでは、本領域のゴールドスタンダードである直鎖の LRP1 結合ペプチドである Angiopep-2 (ANG2) と比較した KS-487 の in vivo における BBB 透過性および選択性を評価した。蛍光色素インドシアニングリーン (ICG) で標識した KS-487 および ANG2 をマウスに皮下投与し、その体内分布を 24, 48, 72 時間後に in vivo イメージングによって評価した。ICG-KS-487 および ICG-ANG2 はいずれも同程度の脳移行性を示し、時間推移プロファイルはほぼ同等であった。一方で注目すべきことに、ICG-KS-487 は 72 時間後の脳/肝臓蓄積比で算出される脳選択性において ANG2 よりも優れていた。ICG-KS-487 投与マウスにおいて、体重減少や主要臓器の病理学的な有害事象は観察されなかった。これらの知見は、KS-487 の確かな脳標的化特性と安全性プロファイルを示しており、脳関連疾患治療のためのドラッグデリバリー用標的リガンドとしての KS-487 の有用性を支持するものである。
詳しくは、「Bioconjugate Chemistry 2025」をご覧ください。
【関連リンク】 Bioconjugate Chemistry