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2024.03.29

研究開発・学術発表

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「日本薬学会 第144年会(横浜)」にて発表 ①

一丸ファルコス株式会社は、2024年3月28日よりパシフィコ横浜にて開催された日本薬学会 第144年会にて、以下の共同発表を行いました。



【発表タイトル】
VIPR2特異的アンタゴニストとしての二環式中分子ペプチドKS-133の創製とマクロファージの極性変化による抗腫瘍効果


【発表要旨】
血管作動性腸管ペプチド受容体2 (vasoactive intestinal peptide receptor 2: VIPR2) は、VPAC2としても知られるクラスB GPCRであり、その活性化が統合失調症の発症 、乳癌の増殖と転移、マクロファージや CD8陽性T細胞の抗腫瘍免疫応答性の抑制などに関わるとして注目されている創薬ターゲットである。過去にメガファーマにて167万化合物もの大規模なハイスループットスクリーニングが実施されたが、臨床開発に進む低分子化合物は未だ報告されていない。我々は、VIPR2に対する特異的かつ強力なアンタゴニストとして中分子サイズの二環式環状ペプチドKS-133: Ac-(CPPYLP[KYLC)D]LI-NH2 (1558 g/mol、Cys1 -Cys10側鎖間のS-S結合とLys7-Asp11側鎖間のアミド結合で2環形成) を見出し、KS-133の経鼻投与が統合失調症モデルマウスの認知機能低下を予防することを報告している。ここでは、KS-133によるVIPR2の特異的阻害がマクロファージの極性を変化させ、抗腫瘍効果を誘導するかを検討した。この結果、KS-133の存在下では、腫瘍攻撃性のM1型マクロファージを示す遺伝子マーカーが上昇し、逆に腫瘍増長性のM2型マクロファージを示す遺伝子マーカーが低下した。そして、KS-133 の連日皮下投与は、BALB/c マウスの皮下に移植したCT26腫瘍 (マウス大腸癌由来細胞株) の成長を抑制する傾向にあった。そこで、KS-133の薬理効果を向上させ、投与回数を減らすために、FDA認可の医薬品添加物である界面活性剤Cremophor ELを用いたKS-133のナノ粒子化を検討した。KS-133ナノ粒子の粒子径は約15 nmで、調製後は4℃で安定であった。一方、興味深いことに、KS-133は37℃下ではナノ粒子から徐放された。そして、KS-133ナノ粒子の3日に1回の皮下投与は、有意な抗腫瘍効果を示した。さらに、免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体と組み合わせることで、その薬理学的効果は増強した。以上の結果から、KS-133によるVIPR2の特異的阻害が、単独でも免疫チェックポイント阻害剤との併用でも、新たな癌治療の開発に貢献する可能性が示された。


【発表詳細】
日本薬学会 第144年会(横浜)
○ 開催日:3月 28日(木) ~ 31日(日)
○ パシフィコ横浜

○ 一般ポスター発表 (A) 化学系薬学
[29P-pm] 合成医薬品/天然物・生体由来医薬品/中分子
2024年3月29日(金) 13:30 〜 17:00 [ポスター会場] 展示ホールAB (1F)
講演情報:https://confit.atlas.jp/guide/event/pharm144/subject/29P-pm-111/advanced



【関連リンク】 日本薬学会 第144年会 ホームページ

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