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2018.01.12

イベント

「乳酸菌やβ—グルカンなど食成分による腸管免疫の活性化と生体恒常性の制御」

平成30年1月12日(金曜日)
国立研究開発法人産業技術総合研究所
バイオメディカル研究部門 免疫恒常性研究特別チーム長
辻 典子 先生
タイトル 「乳酸菌やβ—グルカンなど食成分による腸管免疫の活性化と生体恒常性の制御」

=講演要旨=
腸管免疫学や腸内細菌学は近年のトレンドとなり、自然免疫センサーを介した生体機能の活性化においては、乳酸菌やβ—グルカンなど食成分のはたらきも注目されています。
腸管における核酸の認識にはエンドソーム トル様レセプター(TLR) のほかに、細胞質でのRIG-I~IPS-1を中心とする RLR 経路やcGAS~STING を中心とする CDR 経路が知られています。 乳酸菌は核酸成分の中でも二本鎖RNAを特徴的に有し、TLR3を介したインターフェロン-βの発現が抗ウイルス作用及び抗炎症作用に重要であることを示してきました。
多糖のシグナルの多くは細胞表面に発現する TLR と C-タイプレクチン(CLR)を介して伝えられます。パイエル板および脾臓の樹状細胞におけるCLR の発現を調べたところ、腸管において高い発現量を維持しているデクチン1(dectin-1)は、真菌や酵母などの腸内微生物の細胞壁成分であるβ1,3-グルカンにより活性化されることが知られています。経口摂取したβ-グルカンを認識して、パイエル板 T 細胞のサイトカイン産生が増強すること、抗原特異的な免疫応答においてはリンパ節T 細胞による IL-10やインターフェロンγなどの産生増強もみられることがわかりました。
日常的な多糖類の経口摂取あるいは腸内微生物の細胞壁成分などが 全身性の細胞性免疫を増強し、感染・炎症やがん増殖の予防に寄与する可能性が考えられています。腸内細菌叢への影響も大きいことが示唆されています。これらの知見は、小腸の自然免疫センサーを介して身体の恒常性がより確実に維持される可能性を示しており、健康長寿やQOLの改善につながると考えられます。

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